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木造十一面観音立像

更新日:2023年12月15日

木造十一面観音立像の正面画像

鎌倉末期の元亨3年(1323)善光寺住僧の妙海の作とされる観音像で、上島普門院観音堂に安置され、国の重要文化財に指定されています。

 

この仏像の墨書銘によると、鎌倉時代末の元亨3年(1323年)正月、諏訪氏の末流の光信(当時48歳)が施主となり、良禅という高僧の力をかりて、善光寺住僧の妙海によって造られたものとされています。

その趣旨は亡くなった先祖の成仏得道、別輩の極楽往生、世の中の福寿増長、皆が病むことなく仕合わせを得られ仏法が興隆することなどを祈っているとされています。

施主の神光信は宮所郷の支配者で上島に住み、上島孫次郎とも宮所孫次郎とも称していました。光信と良禅・妙海の3人の関係については詳かではなく、いかなる縁故で金剛仏子要良禅や善光寺住侶仏師妙海に十一面観音の造立を依頼したかははっきりしませんが、筑摩郡に妙海の作品が散在しているところをみると、1つには上島が東山道の沿線であったことが何かのきっかけを作ったのかもしれません。

 

十一面観音の像内には仏舎利(仏骨)・土砂粒・切爪・宝薬・写経の一部などが納入されており、特に宝薬の功徳などが細かく書かれている。これらの品々によって施主光信はこの地において、当郷安穏・数病悉除・仏法繁昌などを祈って十一面観音を造立して持仏堂に収め、一族共に信仰してきたことがうかがわれます。

 

造立700年祭

造立700年の節目にあわせ、令和5年5月2日、3日に造立700年祭が盛大に開催されました。

観音堂の境内に回向柱が46年ぶりに建立し、本尊の指先と「善の糸」で結ばれ参拝者が祈りを捧げました。

造立700年祭の写真
造立700年祭の写真

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