松くい虫被害の情報

更新日:2025年08月27日

松くい虫による被害(松枯れ)とは

松くい虫による被害は、マツノザイセンチュウと呼ばれる線虫の寄生によるもので、この線虫がマツノマダラカミキリというカミキリムシによって運ばれまん延していきます。
上伊那管内では、南は中川村から、北は箕輪町の北小河内地区まで被害が拡大しています。辰野町でも被害が散見されており、迅速な処理を行うために11名の方に松林監視員を委嘱し定期的に山林を監視しています。

住民の皆さまも、ご自宅の周りで松枯れを発見されましたら、ぜひ産業振興課松枯れ緊急対策係までご連絡ください。

マツノザイセンチュウ

マツノザイセンチュウ(病原虫)

マツノマダラカミキリ

マツノマダラカミキリ(運び屋)

(画像:長野県林業総合センター提供)

 

町内で松枯れを発見されましたらご報告ください

町では被害状況の早期把握・対策のため、住民の皆さまからの情報提供をお願いしています。

お近くの山林、公園、庭木などで、松枯れを発見されましたら、ぜひご報告ください。

 

例えば、こんな松を見つけたらご報告ください。

  • 山の中で、一本(複数本)だけ枯れている。
  • 前触れもなく、家の庭の松が枯れた。
  • 樹木全体が急速に赤くなった。

 

報告の方法

以下のいずれかの方法でご報告ください。

 

1. スマホ・パソコンからインターネットで報告

▶ 報告フォームはこちら

(リンク先:ながの電子申請サービス)

(タイトル:辰野町松枯れ発見報告フォーム)

 

▶ スマホ QRコード

発見報告フォーム

 

2. 役場窓口 または 電話で報告

▶ 窓口対応時間 : 平日8:30~17:15

▶ 電話番号 : 41-1111(内線2151)

▶ 担当 : 産業振興課 松枯れ緊急対策係

 

薪や木材の移動について

マツノマダラカミキリは、6月から7月にかけて松から脱出する時期とされており、8月から9月が活動の時期とされております。

このことから、6月から9月の間はアカマツ材の移動についてご注意いただき、薪につきましては早めにご使用いただくようお願いします。

町の中でも、被害が散見される山とそうでない山がある為、地元の木材はなるべくその地元で消費するようご検討ください。(※くん蒸処理後の木材は除く)

松くい虫被害拡大のリスクを少なくする趣旨をご理解いだたき、ご協力をお願いします。

 

松枯れが進むと Q & A

松が枯れると私たちの生活にどのような影響があるか、辰野町地域林政アドバイザーの合同会社ちいもりさんにお聞きしました。

Q. 松が枯れると私たちの生活にどのような影響がありますか?

A. 次の事が考えられます。

1.経済的価値の低下

枯れてしまった松は、健全な立木のように丸太として販売することができません。また、枯れ木が増えると、マツタケ山として維持することも難しくなります。

2.生命・財産への被害の危険性

松が枯れると落枝や倒木により、人や家屋、道路や電線などに被害を及ぼすおそれがあります。事故が発生した場合、その樹木の所有者が損害賠償責任を問われる場合もあります。

3.森のはたらきの低下

急速に松枯れが進むと、健全な森がもつ様々なはたらき(土砂災害の防止、水源涵養、生態系、景観など)が損なわれるおそれがあります。

Q. 山のアカマツが全部枯れてしまったら、もとに戻るのに何年くらいかかりますか?

A. 残念ながら、ひとたび松枯れ被害がまん延してしまった地域では「もとの状態」には戻らず、松枯れ被害の再燃を繰り返している事例が多いです。

山が全部枯れてしまったような場所で、もとの高齢級アカマツ林を復元し維持していくことは困難です。アカマツ林ではなく、病虫害に強い森へ転換していくことをおすすめします。

Q. 松枯れ被害はどの様に拡大しますか?

A. マツノマダラカミキリの行動範囲は約2kmと言われており、感染源(マツノザイセンチュウ病が原因で枯れた木)に近いほど、松枯れのリスクが高い傾向にあります。

Q. 松枯れを食い止めるためにはどのような手立てがありますか?

A. これまで全国各地で松枯れ対策が実施されてきましたが、被害を完全に食い止めることができた事例はありません(※薬剤空中散布等により、一定の効果が確認されている場所はあります)。

辰野町では、特に被害がまん延しやすい低標高域で松枯れを食い止め続けることは困難であり、現実的に松林を保全していけるのは高標高域(概ね900m以上)に限られると想定されます。

こういった被害想定を踏まえたうえで、将来を見据えた現実的な対策をとっていく必要があります。

1.被害木の伐倒・駆除

被害が出た松を単木的に伐採し処理するものです。マツノザイセンチュウを媒介するマツノマダラカミキリが木から羽化脱出する6月までに、被害木を適切に処理(破砕・燻蒸など)することで、被害のまん延を抑えることができます。

しかし、単木単位で作業するため作業効率が悪く、伐った枯れ木も材木として売れないので、経済的な負担が大きくなります。このような後追い対策だけでは、いつか対処できなくなります。他の対策との組み合わせが必要です。

2.樹種転換

被害が出る前にあらかじめ面的に松を伐採し、松以外の樹種の森へ転換しておくものです。

まとめて伐採でき、伐った木も販売できるので、経済的な負担が小さく済む場合もあります。

3.抜き伐り(間伐)

過密なアカマツ林を抜き伐りすることで、(1)残った松の樹勢を回復して松枯れに対する抵抗性を上げる効果、(2)林床を明るくして次世代の森をつくる天然生の稚樹等を育てる効果が期待できます。

4.薬剤による防除

立木に薬剤を注入したり、殺虫剤を空中散布したりする方法もあります。効果が確実ではないこと、大きなコストがかかること、薬剤による様々な影響があることなどに注意が必要です。

(空中散布にあたっては、地域住民の皆さまの同意が必要であり、水源の近くの森林ではできません。)

Q. 山に松枯れが広がることで、生態系にどのような影響がありますか?

A. 生態系は非常に複雑なシステムであり、どのような影響があるか、全てを予見することは困難です。

ただ、他の被害地域の経過を見る限りでは、アカマツ林から天然生の広葉樹林へと自然遷移している事例が多いように感じます。

Q. 山に松枯れが広がることで、水源林に影響がありますか?

A. アカマツが枯れてしまっても、林内に次世代の森をつくる木々が育っている場所では、ただちに致命的な影響が出るおそれは少ないと考えています。

ただし、クズやアレチウリなど強害雑草による偏向遷移、シカによる苗木や稚樹の食害、人為による稚樹の刈払い、といった影響により次世代の森づくりがうまくいかない場合がありますので、注意が必要です。健全な森がもつ様々なはたらき(土砂災害の防止、水源涵養、生態系、景観など)が損なわれるおそれがあります。

Q. 松くい虫は、松以外の木や植物(農産物など)も枯らしてしまいますか?

A. 松くい虫(マツノザイセンチュウ)の被害を受けるのは、アカマツ、クロマツ、ハイマツなどに限られます。

 

 

🌲皆さまのご理解やご協力が大切な山林を守ることにつながります🌲

 

関連リンク

この記事に関するお問い合わせ先

産業振興課 松枯れ緊急対策係 辰野町役場庁舎1階
〒399-0493 長野県上伊那郡辰野町中央1番地
電話番号:0266-41-1111
ファックス:0266-41-4651

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