ゲンジボタルの紹介

更新日:2023年11月13日

ゲンジボタルの一生

ゲンジボタルの一生

ホタルについて

ホタルは昆虫の甲虫の仲間に入ります。ホタル科の昆虫は、世界では約2,000種、日本では40種余います。大部分のホタルは一生陸上ですごし、主にカタツムリの仲間を食べます。日本のゲンジボタルとヘイケボタルは、幼虫の時代を水中ですごし、淡水の巻貝を食べる、世界でも珍しいホタルです。
 

ゲンジボタル

鹿児島から青森までに分布する日本固有のホタルです。かつては、全国各地の清流のほとりに名所をつくり、親しまれてきました。しかし、一生の大部分を川の中ですごすため川のよごれにより、ほろびた名所も少なくありません。夕やみせまる川辺に、とびかうゲンジボタルは、やはり日本の代表的ホタルです。
 

ゲンジボタルの一生

 卵

1匹の雌は500から1,000個の卵を産みます。卵の直径は0.5ミリメートル、川岸の産卵しやすいコケには、次々に雌がきて産卵するので、たくさんの卵が見られることもあります。卵の期間は約1ケ月、6月下旬に産まれた卵は、7月下旬にはかえります。卵ははじめ黄色で日がたつと黒くなり、しげきすると光るようになります。

幼虫

孵化した幼虫は1.5ミリメートル、夜中にかえり川に入り、カワニナを食べて成長します。幼虫は小さいうちは小さなカワニナを、大きくなると大きいカワニナを食べます。冬は活動がにぶり川底でじっとしています。春になると動きも活発になり、成長した幼虫は、4月下旬の雨の夜、光りながら川岸を一斉に上ってきます。

蛹(さなぎ)

川岸に上がった幼虫は、土にもぐり、土まゆをつくり蛹になります。蛹になるまでに約5週間、蛹の期間は約2週間です。蛹ははじめ黄色で、複眼や前翅から黒くなり、発光器もでき上がります。このころになるとよく光ります。そして、羽化後2・3日すると、土まゆを出て地表に現われます。

成虫

辰野町のゲンジボタルの成虫の季節は、6月中下旬です。雌はおよそ2センチメートル、雄は少し小さい。腹部の発光器は雌は1節、雄は2節、成虫の生存日数はおよそ10日、その間に交尾・産卵します。風のないあたたかな夜、雄は小川の上をゆっくりとび、雌は川岸のコケ等に産卵します。

ゲンジボタルの餌 カワニナ

カワニナは川にすむ巻き貝です。辰野では水温が20度以上になる、6月から9月終わりまで、子貝が生まれます。大きい母貝は1晩に、1ミリメートルくらいの子貝を10から20個生むことができます。カワニナの食物はおもに川底の石につくケイソウです。ホタルの名所を復元するには、川をきれいにして、ケイソウやカワニナのふえる川づくりが、なによりも大切です。

ゲンジボタルとヘイケボタル

ゲンジボタルの幼虫は、きれいな水の流れる川の中で、カワニナを食べて育ちますが、ヘイケボタルの幼虫は、流れのない沼や水田などで、モノアラガイやヒメタニシなどの巻貝を食べて大きくなります。水の汚れにも比較的強いといえます。ゲンジボタルの成虫は、背中に十文字(プラス)のような模様、ヘイケボタルは縦に一筋の線とおぼえておくと見分けやすいでしょう。

カワニナを食べる幼虫

カワニナを食べる幼虫

発光する幼虫

発光する幼虫

ゲンジボタルの蛹

ゲンジボタルの蛹

卵を産む成虫

卵を産む成虫

左側:メス 右側:オス

左側:メス 右側:オス

昼間のゲンジボタルの写真
ゲンジボタルとヤマボウシの写真

関連書類

ゲンジボタルとヘイケボタルの違い

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辰野町観光協会事務局 辰野町役場庁舎1階 産業振興課内
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電話番号:0266-41-1111
ファックス:0266-41-4651
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